はじめに
こんにちは、Raithing株式会社の今村です。
スタートアップや中小企業の皆さん、システム開発を外注しようと考えたとき、「本当に自分たちの想いを理解してくれるパートナーが見つかるのだろうか?」と不安に感じたことはないだろうか。限られた予算やリソースの中で、自社のビジョンを実現するための最適な方法を探していることだろう。
AI技術の急速な進化により、システム開発の方法論が大きく変わりつつある。しかし、情報があふれる現代だからこそ、「どのような観点や視点で問題を解決するのか」という思考の深さや、クライアントへの想い、傾聴力がこれまで以上に重要になっている。
皆さんもシステム開発を発注した経験があれば、「ただ淡々とプロダクトを作る会社」よりも、「熱意を持って自分ごとのように開発してくれる会社」の方が信頼できると感じたことがあるはずだ。私たちも同じ想いで、クライアントのビジョンを共有し、共に成功を目指すパートナーでありたいと考えている。
当社では、AI駆動開発を実務で行い、その中で培った知見をもとに新しいアプローチを提案している。AIを活用することで、開発の質を担保しつつ、クライアントとの対話をアウトプットに取り込むことができるのだ。
本記事では、AI時代における新しいシステム開発のアプローチについて解説する。システム開発の成功に向けたヒントとして、ぜひ参考にしてほしい。
プリセールスにおけるAIの革新
1. 事業目的からのAIブレインストーミング
まず、あなたの事業目的やビジョンを出発点として、AIを活用して必要な機能やサービスを洗い出す。
これにより、人間だけでは見落としがちなアイデアや、新たなビジネスチャンスを発見できる。
スタートアップの創業者であれば、限られたリソースで最大の効果を得るための機能選定など、具体的なニーズに応えることが可能だ。
2. AIを活用した優先度の明確化
洗い出した機能に対して、AIを用いてその優先度やROI(投資対効果)を迅速に算出できる場合もある。
これにより、どの機能に投資すべきか、どの機能を後回しにすべきかを明確に判断できる。中小企業の経営者やDX推進担当者にとって、限られた予算内で最大の効果を得るための意思決定が容易になる。
3. UI可視化による具体的なイメージ共有
機能の大枠が固まった段階で、UI可視化ツールを使って具体的な画面イメージを共有する。
これにより、実際の操作感を視覚的に理解でき、細部に至るまで具体的なフィードバックが可能となる。従来であれば、このプロセスにも多くの時間とコストがかかっていたが、AIの活用によりそれらを大幅に削減できる。
4. 自動化された要件定義ドキュメントの作成
UIデザインを基に、AIツールを活用して要件定義ドキュメントを自動生成する。これにより、ドキュメント作成の時間を大幅に短縮し、開発チームとの認識のズレを防ぐことができる。
5. 複数パターンの提案資料の提供
以上のプロセスを経て、異なるアプローチや機能組み合わせを持つ複数の提案資料を作成する。これにより、自社のニーズや戦略に最も適した選択肢を比較検討できる。
クライアントとの協働による最適解の追求
1. 提案を基にした大方針のすり合わせ
作成した提案資料をもとに、プロジェクトの大方針を詳細にすり合わせる。AIが提供するデータ分析と洞察を活用し、ビジネス目標と技術的実現性のバランスを最適化する。
2. 見えていない課題の発見
商談中に、AIを活用して自社でも気づいていない業務フローの抜けや必要な追加機能を発見する。中小企業がDXを推進する際、現行の業務プロセスの非効率性をAIが指摘し、改善策を提案することができる。
3. 具体的な提案書・見積もりの作成
合意した内容を基に、詳細な提案書や見積もりを作成する。AIの支援により、見積もりの精度が向上し、コスト予測がより正確になる。これにより、予算管理が容易になり、プロジェクトの透明性が高まる。
要件定義・設計の重要性とAI駆動開発
1. 「要件定義・設計が5割」の真実
多くのプロジェクトを通じて感じるのは、要件定義と設計がプロジェクト成功の半分以上を占めるということだ。AIを活用することで情報量に差が出ない時代だからこそ、「どのような観点や視点で問題を解決するのか」がより重要になっている。クライアントへの想いを持ち、深く傾聴することで、真のニーズを引き出すことができる。
2. 技術とビジネスのバランス
技術的な選択(プログラミング言語やデータベースなど)は、プロジェクト全体に大きな影響を与える。そのため、なぜそれを選ぶのかを明確に理解し、クライアントと共有することが重要だ。経験豊富なエンジニアがAIのアウトプットを効果的に活用し、必要に応じて修正することで、最適な解決策を見つけることができる。
3. 計画の重要性
名著『BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?』でも述べられているように、プロジェクトを成功に導く秘訣は、事前の計画をしっかりと立てることだ。アジャイル開発であっても、計画なしでは方向性を見失いかねない。要件定義・設計に時間をかけることは、後々のリスクを大幅に減らす。
この辺りについては下記の記事でも記載している。ぜひご一読いただきたい。
まとめ
AI時代のシステム開発は、技術の進化だけでなく、ビジネスプロセス全体の再定義を意味する。プリセールスの段階からAIを積極的に活用することで、クライアントの真のニーズを的確に捉え、最適なソリューションを提供できる。
私たちRaithing株式会社は、クライアントの想いを大切にし、熱意を持ってプロジェクトに取り組んでいる。「人と自然とAIが共存する、よりよい世界を作る」をミッションに、技術とビジネスの融合を追求している。
システム開発のパートナーをお探しなら、ぜひ私たちにご相談いただきたい。あなたのビジョンを実現するために、全力でサポートする。