はじめに
こんにちは。Raithing株式会社の今村です。
「AIがここまで進化している今、私たち受託開発会社の価値はどこにあるのだろう？」と、最近よく考えている。実は先日、お客様からこんなご相談をいただいた。
「AIがコードを書いてくれる時代に、システム開発を外注する意味はあるのでしょうか？」
この質問を受けて、正直なところ心が揺れた。しかし同時に、「今こそ私たちの真価を示す時だ」と強く感じた。
先日、AI時代のITエンジニアの付加価値について書かれた記事を読んだ。こちらの記事では、AI時代のITエンジニアの持つ付加価値について論じている。内容をまとめると、およそ下記のような内容であろう。
- 近年の生成AIの進化は目覚ましく、エンジニアの役割は変化している
- AI時代のエンジニアの生み出す付加価値は、AIによるコード生成のために差がつかなくなる
- 生成AIが人間がこなしてきたタスクの多くを自動化する中で、エンジニアの付加価値はコミュニケーション能力と意思決定力にシフトしていくであろう
「まさにその通りだ！」と深く共感した。そして、エンジニアだけでなく、私たち受託開発会社全体として、AI時代にどのような付加価値を提供できるのかを考える必要があると感じた。
そこで本記事では、エンジニアではなく、受託開発会社全体として、AI時代にどのような付加価値を提供できるのかについて論じたい。当然エンジニアの集合体が開発会社であるため、両者で重なる部分は大きいものの、会社としてみた時にどのような方向性であるべきかについては議論の余地はある。
現在の受託開発会社の役割と付加価値
これまで、受託開発会社の役割は「お客様の要望をシステムとして形にすること」だった。高度な技術を持つエンジニアたちがコードを書き、バグを修正し、高品質なプロダクトを提供する。それが私たちの大きな付加価値でもあった。
しかし、AIの進化により、コードの自動生成が可能になり、「エンジニアがコードを書く」という価値が相対的に下がってきているのを実感している。実際、AIが生成したコードを試してみると、まだバグが多かったり、細かな修正が必要だったりするが、その成長速度は驚異的だ。
そこで私たちは、オフショア人材を活用し、AIと人間の力を組み合わせて、迅速かつ効率的に開発を進める方法を模索している。AIを活用することで、適切なサポートとツールをもとにして、高品質なシステムを作り上げることができるのだ。
AI時代の変化と新たな挑戦
「将来的には、AIがバグのない完璧なコードを生成できるようになるのではないか？」と考えると、正直なところ不安になる。しかし、それと同時に「新しいチャンスが生まれるのではないか？」という期待も感じている。
AIがコードを書くことが当たり前になったとき、受託開発会社に求められるのは「お客様の意図を正確に理解し、それを最適な形でプロダクトに落とし込む力」だと思う。つまり、技術力だけでなく、ビジネス理解やコミュニケーション能力がより重要になるのだ。
ある意味で、「お客様のDX部門そのものを引き受ける」ような役割を担うことになるかもしれない。それは、単にシステムを作るだけでなく、お客様のビジネス戦略や課題を深く理解し、最適なソリューションを提案することだ。
求められる受託開発会社の新しい姿
では、具体的にどのような受託開発会社がこれから求められるのだろうか。私が考えるのは以下の3点である。
- お客様のビジネスを深く理解する力
「ただ言われたものを作る」のではなく、「お客様が本当に必要としているものは何か？」を一緒に考える姿勢が大切だ。これまで多くのお客様と話す中で、「自分たちの課題がよくわからない」という声を何度も耳にした。また、経営戦略の観点から考えたときに必ずしも適切ではないソリューションを選択してしまっている場合もあった。だからこそ、私たちがその課題を一緒に見つけ出し、解決策を提案することが求められている。
- AIを活用した効率的な開発
AIを上手く活用し、効率的かつ高品質な開発を行うことも重要だ。最新のAIツールの導入や、オフショア人材との連携など、常に新しい技術と方法を取り入れていく必要がある。
- コミュニケーション能力とチームワーク
お客様やチーム内でのコミュニケーションを円滑に進める力も欠かせない。AIがどれだけ進化しても、人と人との信頼関係がプロジェクトの成功には不可欠だ。私は「人間同士の対話から生まれるアイデアこそが、新しい価値を生む」と信じている。
過去に実際にあったエピソード
以前、ある中小企業のお客様から「業務効率を上げたいが、何から手をつけて良いかわからない」という相談を受けた。最初は漠然とした要望だったが、何度も打ち合わせを重ねる中で、具体的な課題が見えてきた。
「なるほど、ここがボトルネックになっているのですね！」
と気づいたとき、お客様も私たちも思わず笑顔になった。その後、AIを活用したシステムを提案し、導入した結果、お客様の業務効率は大幅に改善した。
この経験から、「お客様と一緒に課題を解決する喜び」を強く感じた。そして、これこそがAI時代における受託開発会社の付加価値だと確信している。
まとめ
AIの進化は確かに驚異的で、私たちの業界にも大きな影響を与えている。しかし、私は「AIだからこそ、人間にしかできない価値がある」と信じている。
- 「お客様と共に課題を見つけ、最適な解決策を提案する」
- 「AIを活用しながらも、人間ならではの創造性や共感力を発揮する」
これらが、これからの受託開発会社に求められる役割ではないだろうか。
最後に、システム開発でお困りのことや、「こんなアイデアがあるけれど形にできない」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談いただきたい。私たちRaithing株式会社は、お客様のビジネスの成功に向けて、全力でサポートする。
「一緒に未来を創りましょう！」
